第381回 千心会例会2020年11月

案内

 私の若い頃、「第三次世界大戦、中東に勃発!」と題する映画上映。中東では4次にわたる中東戦争に加え、今日まで各地で紛争に堪えない。最近では、覇権国米国に対し、中国が経済力、軍事力を増強して力をつけ、覇権を目指し、南シナ海に進出して人工島を次々に作り軍事基地としている。これは中国の対米A2-AD戦略に基づく。さらに、中国は「一帯一路構想」を掲げ、陸のシルクロードに加え、海のシルクロードも打ち出し、ヨーロッパまでの沿線各地に拠点を築き、他国を威圧しにかかっている。これに対し、米国は神経をとがらし、ことあるごとに中国を抑えにかかっている。今や、米中対立の分野は多岐にわたっており、核兵器、軍事力一般、東、南シナ海進出、宇宙、サイバー攻撃、人権、貿易、知的所有権、5G、コロナなどである。これら各分野について、米国が中国に圧力をかけている。当然、中国もこれに反発しており、「ツキジデスの罠」が警告される状況に至っている。北京の外交専門家は「米国が追い詰めすぎると中国としては強く出るしか選択肢がなくなる」と懸念。読売新聞社説も「不測の衝突に発展する怖れもある」と警告。

 では、バイデン大統領になればどうか? バイデンはこれまで対中ソフトで、弱腰と批判がある。トランプは大統領選でもその点、再三かみつき、世論調査では、与野党支持者とも多数が対中批判。それ故、バイデン大統領としても無視できない。

 日本はどうするか? このような米中対立は今後ますます厳しくなるのは必定で、日本としては、日米同盟を外交の基軸としてしっかりと維持し、「インド・太平洋構想」で日米豪印など関係国の結束を強化し、中国に対する「抑止力」を高めるべし。他方で、中国は日本の貿易の最大の相手国であり、しかるべく折り合うしかない。それが日本の宿命。 

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中村 義博氏 のプロフィール

講師略歴・ 1966年 京都大学法学部中退、    68年米国ダートマス大学卒業
65年 外務公務員上級試験合格、  66年 外務省入省
  82年 官房査察室長、       83年 欧亜局大洋州課長
    84年 在ロス総領事館首席領事、  89年 在ユーゴ大使館公使
    93年 国際労働財団常務理事、   97年 駐ザンビア特命全権大使
    02年 駐ウルグアイ特命全権大使、 05年 国際労働財団常務理事、 08年 同退職
「教職」 08~18年 千葉経済大学非常勤講師、
18年4月~20年3月まで 天理大学客員教授
 「著書」 94年「ユーゴの民族対立:平和の創成を求めて」(サイマル出版)ほか

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