投稿日
最終更新日
テーマ | 国土学が解き明かす日本の再興 |
概要 | ・・先進国から途上国へ転落を続ける不思議の国・・ |
国土学総合研究所長 | 大石久和 |
日付 | 2022年6月04日(土) 14:30〜16:30 |
開催場所 | 千葉市文化センター 5F(セミナー室) |
400回記念講演のため、一般参加者は無料です。
*講演の概要
1995年の財政危機宣言以降、財政再建至上主義がこの国を支配し、著しい国民の貧困化、経済成長の完全停止、科学技術発展の停滞、教育に対する公的支援の削減、そしてインフラ整備の停滞などによって、日本は先人たちが築いてきた国際的地位を失い続けてきた。
1995年には世界のGDPの約20%を占めていた日本経済は約30年後の直近では世界経済の約5%にすぎなくなったという凋落ぶりなのである。
片側に一車線しかない自動車専用道路を高速道路などと言っている国は、世界では他に一ヵ国もないが、この国では一車線道路が高速道路の供用延長の30%を超えている。
気象が凶暴化して各地の豪雨頻度が大きく増加しており、これに対して先進各国は防災インフラの整備費を倍増するなど対策をとってきたが、この国は約30年をかけて整備費を半減してきたという国民の生命財産をおろそかにする不思議の国となっている。
これらのすべては、政治が国民の痛みを共有できないために、正しい財政認識を獲得する努力もせず、財務省の説明の前にただひれ伏しているばかりであることに原因がある。
日本人はユーラシアの人々とはまったく性質の異なる国土を持ち、そのためもあってまったく異なる歴史を歩んできた。国土のありようとそこでの経験が民族を規定するという国土学から見ると、ウクライナ侵攻を前にして、この国の安全保障への考え方が世界のどの国とも際だって奇妙であることを国民すべてが理解せざるを得ないことがわかった。
正しい財政や経済の認識を獲得し、歴史を学んで日本人であることの誇りと自信を取り戻すところから、この国を再興していかなければならない。現世代は、将来世代への貢献なくして存在の意味を持たないからである。
案内関係資料
400回記念例会案内資料は こちら 400回記念例会、案内チラシ資料は こちら会員向け案内
会員向け案内は、ログインしている会員のみ閲覧することが可能です。
大石久和 のプロフィール
1945年兵庫県出身、
京都大学大学院修了後、70年建設省入省、
道路局長、国土交通省技監などを歴任、
2004年退官後、国土技術研究理事長、
土木学会会長などを経て、
現在、国土学総合研究所所長など兼務)
例会報告
例会報告は、ログインしている会員のみ閲覧することが可能です。